晩秋の日展を楽しんで ~この国の美をみる・・・
皆さまこんにちは。
CELENTEの辻之内です。
昨日の冷たい雨から一転、とても暖かい晩秋の一日となりました。
皆さまはお変わりございませんでしょうか?
今年も本当にあと1ヶ月半となりましたね。毎日めまぐるしく様々な出来事があります。TPPも日本が参加方針を表明したことで、今後は米中アジアなどの経済圏での自由貿易が解禁となる半面、APEC参加国の利害が衝突するのではないかとの懸念もあります。
3.11未曾有の東日本大震災、続く原発事故の国難などへの遭遇で、日本人にとっては生涯忘れ得ぬ辛い辛い2011年でありました。国民の誰もが復興を祈っている、そんな中にあって、素晴らしい芸術を生み出している方々の日々のご活動の集大成である日展が今年も予定通りに行われました。何年か振りに扁桃腺を腫らし高熱にうなされていた私でしたが、日頃の行いの良さでしょうか(笑)、前日夜にはぴたっと熱も下がり、また気温も冷たい雨から小春日和の暖かい日差しに背中を押されるように、六本木、国立新美術館に行って参りました。
私自身も、数年前から、しばらく休んでいた油彩を再び始める事になりアトリエに通っていますが、展示作品のあまりの力強さと見事な作品に、自身の技術の未熟さを再認識することとなりましたが、あの大震災の後でもあり、出展者の方々には様々な思いと状況が取り巻いていたことが拝察される中、震災の爪後を表現された作品もいくつかございました。心に沁みる出展者の方々の想い、被災地の方々への復興への想いを、僅かでも共有できた気がしたのは、私だけではなかったと思います。
あの被災地の現状を目の当たりにしながらの葛藤の中で制作された皆さまの芸術性の高い力作に、大変励まされる思いでございました。かつて何度か足を運んだ日展ですが、今回は日本画、洋画、彫刻、工芸美術、書と、全ての部門を約4時間に亘ってゆっくりと、しみじみと鑑賞する時間を得たことは大変ありがたいことでございました。
心痛む記憶に刻まれたあの大震災の悲劇の中で、我が祖国、日本の美を垣間見る素晴らしい作品を満喫した晩秋の一日でございました。
2011.11.12
辻之内節子