カルテット!『人生のオペラハウス』 ~ 音楽家たちの人生賛歌
皆様こんにちは。その後はお元気ですか?
季節はすっかり夏になってしまいましたね。日に日に時間の経つのが早く感じます。
昔ある方が、人生を砂時計に例えて話していたのを思い出しました。
砂がたっぷりある時は、下に落ちる砂に動きを感じませんが、半分を過ぎた頃から砂が急速に落ちて行くように感じる・・もちろんこれはただの錯覚です。脈々と同じ時が流れているのですが、そう感じることはおおいですよね。
私事ですが、先日、暦を一周いたしました。若い頃にはこんな日が自らの人生に来るなどとは思っていませんでした。もちろん気持ちは40代50代と何も変わってはいませんが・・。むしろ、いろいろな経験を重ねることにより全てに寛容になったかもしれません、人生って何て素晴らしいのだろうって日々感じるこの頃です。歳を重ねるって素敵!って心から感じています。
本当に多くの方々との出逢いがありました。人間は一人では生きて行けませんよね。いつも周りに手を差し伸べてくれる家族や仲間がいました。同じ時間、同じ感動を共有できる人がいることはこの上ない人生の喜びであるということをあらためて学び経験しました。
少し前になりますが、久し振りに映画を観るために劇場へ足を運びました。ヴェルディ生誕200年を記念してダスティンホフマンが初監督をしたということ、大好きなリゴレットの『四重奏・カルテット』が聴けるということだけで興味が湧いたのですが、予想を上回る感動をいただきました。
素晴らしい映画でした。キャスティングも素晴らしいし、名演奏は一切の吹き替えは使わず、英国を代表する本物の音楽家たちが競演、ロンドン郊外のそのハウスの美しさ、そして何よりも脚本が素晴らしいのです。物語は、かつて舞台を共にしたオペラ歌手たちが再び出会い、名作リゴレットの四重奏を再び同じメンバーで披露するまでの人間模様を綴ったヒューマンドラマです。エンドロールで涙が止まらなかったのは私だけではなかったと思います。
人生って素晴らしい、音楽って素晴らしい・・・とあらためて感じたこの映画との出会いにまた感謝の気持ちで満ち溢れました。
一人よりも二人、時間を共有する大切な人がいるというのは素晴らしいことです。
2013.5.31
辻之内節子